写真のぼけ、世界でも” bokeh (ボケ) ”で通じます。
最近ではスマホアプリで背景ぼかしができるような機能もありますが、加工している写真なのでボケ感が不自然に仕上がってしまいます。いったいどうすればきれいに背景をぼかした写真が撮れるのでしょうか。
今回は背景ぼけの写真が撮れる5つのポイントをご紹介します。
目次
美しく”背景ぼかし”が撮れるカメラ
美しい背景ぼかしの撮影には、一眼レフ もしくは ミラーレスカメラ が必要になります。またカメラのセンサーサイズが大きいほど、ぼけの量も大きくなります。
まるでプロが撮ったような背景ぼけの美しい写真が撮れるようになると、写真がどんどん楽しくなって上達していきますよ!
背景ぼかしが撮れる5つのポイント
撮影モードはAv(絞り優先)モード
カメラの撮影モードには
P プログラム
Av 絞り優先
Tv シャッタースピード優先
M マニュアル
4種類の撮影モードがあります。
ぼかしたい場合は、Av(絞り優先)モードで撮ります。

絞り(F値)を一番小さい数字に設定する
ぼかした写真を撮るには絞り値(F値)を小さい数値(開放と言います)にする必要があります。
絞り値(F値)とは、カメラの液晶やファインダー内に表示されているF2.8とかF5.6、F8などの数値のことを言います。
Avモードにすればこの絞り値(F値)をダイヤルを回して調整ができるようになりますので、一番小さい数値になるように設定してください。
望遠側で撮影する
レンズの焦点距離をできる限り望遠側に合わせましょう。
レンズには16-50mmとか18-55mmなどの表記があると思います。この数値がレンズの焦点距離をあらわします。数字の大きい方(望遠側)に設定しましょう。
また18-200mmなどの遠くのものを大きく写すことができる望遠レンズは、さらに大きくぼかすことができます。
↓ 200mm側に設定

※望遠側で撮るとシャッタースピードが遅くなり、手ブレしやすくなるので注意しましょう。
被写体に近づいて背景を遠くする
レンズを望遠側にしたら、出来るだけ被写体にぐっと近づいて見ましょう。ただし被写体に近づきすぎるとピントが合いません。
レンズには最短撮影距離というものがあり、距離はレンズによって違います。

レンズのカタログや仕様を見ていただくと最短撮影距離や撮影距離範囲0.5mや1.2mmなどと表記されています。これは被写体にピントを合わせることができる最短の撮影距離のことで、イメージセンサーの位置から被写体までの距離を表します。
イメージセンサーの位置はカメラボディの上部に距離基準マーク「Φ」で記されています。レンズの先から被写体までの距離のことではありませんので注意してください。

ピントが合わない場合は少しづつ離れてみましょう。
単焦点レンズを使う
ズームレンズよりも35mm、85mm、135mmなど単焦点レンズのほうがボケ味は強く表現されます。
↓ 85mm F1.4 で撮影

被写界深度とは…絞りの数値で変わるボケ具合
背景ぼけを理解する上で重要な被写界深度についてご説明したいと思います。
これはピントを合わせた位置の前後でピントが合っているように見える範囲のことを言います。下の3枚の写真は手前の馬のハニワの目にピントを合わせ、絞り値(F値)を変化させて撮影したものです。
↓F4で撮影

↓F5.6で撮影

↓F8で撮影

絞り値(F値)の数字を変化させると背景ボケの度合いが変わって行くのがわかると思います。
つまり絞り値(F値)の数字が小さい方がボケる範囲が広いということになります。
背景ぼけ以外のぼかし方法 : 前ぼけ 玉ぼけ
ぼけの表現には背景ぼけだけではなく、「前ぼけ」や「玉ぼけ」などもあります。
背景ぼけは被写体に近づいて撮りますが、前ぼけは遠くの被写体にピントを合わせてみてください。そうすることで自然と前にかぶってくるものが大きくぼけてきます。

お花畑などで練習するのがわかりやすいと思います。
玉ぼけは水面に光るキラキラやこもれびなどを背景に入れてみてください。

特に夜は車のライトや街灯、イルミネーションなど光るものでいっぱいです。こういった光源を背景に入れると玉のように丸くキラキラとぼけてくれます。
背景ぼけの撮り方 まとめ
・撮影モードは絞り優先(Av)モード
・絞り(F値)を一番小さい数字に設定する
・望遠側で撮影する
・被写体に近づいて背景を遠くする
・単焦点レンズを使う
ぼけの表現は被写体を柔らかく優しい雰囲気に仕上げてくれますね。人物や動物、小物、食べ物などいろんな撮影に使える表現だと思います。
良い写真に近づけるにはメインとなる被写体にしっかりとピントを合わせることです。きっちりピントが合ってないと全体的にぼやけた写真になり、メリハリのない写真に仕上がってしまいます。
ぼけとは反対にパンフォーカスという被写界深度が深く、手前から奥までピントがきっちり合った表現の方法もあります。風景写真や集合写真、スナップ撮影によく使われる手法です。
こちらについてはまた今後お話していきたいと思います。