最近は断捨離がマイブームなんですが、部屋の片付けをしていたところ、フィルムで撮影した写真とネガフィルムがたくさん出てきました。
じっくり見てみると何やら五感を刺激してくる写真の数々…
そのときの思い出や感情、においまで復活してくるではありませんか!デジカメでは表現できない独特の味や質感、描写の良さ。今回はフィルムカメラの魅力について熱く語りたいと思います!
目次
愛用フィルムカメラ Nikon F80s
冒頭の海の写真。撮影場所は岡山県の牛窓町です。
瀬戸内の海は波もなく、のんびりと穏やかな空気感があります。そしてすばらしい青のグラデーション!フィルムは階調豊かですね!
この頃使っていたカメラはNikonのF80sというフィルムカメラでした。実はもう私の手元にはなく、昨年カメラ屋さんに売ってしまいましたので、きっとどこかで誰かに使われていることでしょう。
Nikon F80s(2000年4月発売)
Nikon公式サイト上での型式は
モーター・スピードライト内蔵35mm一眼レフレックス電子制御式フォーカルプレーンシャッターオートフォーカスカメラ
長いです 笑!!
一眼レフの中級機で当時の価格は102,000円(税別)でした。
当時、このカメラを購入した魅力の一つに『コマ間データ写し込み機構』という便利な機能がありました。

フィルムのコマ間に
・シャッタースピード
・絞り値
・露出補正値
が写し込まれるという機能で、デジカメでいうExif(イグジフ)情報にあたります。
しかし文字が小さいですね。いまの私には小さすぎて全く見えません。きっとフィルムの経年劣化によるものだろうと強く思っておきます 笑。
※Exifとは
画像ファイルに記録される撮影情報のこと。撮影日時、ISO感度、レンズの焦点距離、シャッタースピード、絞り値、露出補正値などのデータが画像ファイルに記録されます。
F80sは軽量コンパクトな設計で女性でも持ちやすいボディです。
今なら中古で6,000円から7,000円ぐらいで買えます。発売から20年経っていますので、グリップ部のゴムが加水分解によりベタベタしているものが多いです。購入時には動作の確認と合わせてグリップのベタつきにも注意してください。
Nikon F80sで撮ってみた♪

牛窓の海の水面を撮影したものです。
なんとも言えない水の質感です!ピントがあまいのですが逆にこの質感が出せたので良かったのかもしれません。
そして謎のたて構図!なぜカメラをわざわざたてにして撮ったのかは思い出せません 笑。
焼きそばです!ピント位置は手前のちくわです!せめて奥の紅しょうがまでピントが欲しかったですね。焼きそばは絞り込んで撮りましょう!!!
この焼きそばを食べたのは瀬戸内海に浮かぶ犬島という離島でした。
今は犬島は瀬戸内国際芸術祭以降、現代アートの島として観光地化されていますが、当時観光目的で犬島に来る人は少なかったようで、飲食店もなく人口50人程度の離島でした。
たしか島の人の紹介で、とあるご家庭のお庭で休憩させてもらい、そこのお家のお母さんが用意してくれた思いでの焼きそばです。

↑こちらも犬島です。磯のにおいを思い出した一枚です。砂の質感もよくでています。そして足元にフナムシがたくさんいたことも思い出しました。
たて構図が続きます!空も海も両方画面に入れたかったのでしょう。
↑空と海を真ん中で分けた二分割構図です。風景写真には使いやすい構図の作り方です。山と湖、空と街並みなど画面の真ん中に境界線を入れてみましょう。たて、よこどちらでも使える構図です。
注意点としては必ず画面の水平をとることです。水平がとれてないと不安定な写真になってしまいます。カメラの設定でファインダー内にグリッド線を表示させて撮りましょう。

↑こちらの夕焼けは前島という牛窓港から船で5分の離島に上陸して撮りました。

夕凪で波がふわふわとビロードのような質感に見え、穏やかな気持ちになり長い時間その波を見ていたと思います。
牛窓の辺りは「日本の夕陽百選」にも選ばれているほど夕陽のきれいな場所です。陽が傾きはじめたころ、空と海のグラデーションが美しすぎて写真を撮らなかったことを思い出しました。写真を撮ることも忘れるほどの圧倒的な美しさです!!
上の2枚の写真はすっかり陽が落ちて夕陽が沈む直前にあわてて撮ったものです。
フィルムカメラ写真から思い出がどんどん蘇る!
デジカメだと、バシャバシャと何枚か撮影してあとからいらない写真は消せばいいと考えてしまいますが、フィルムカメラは1本36枚しか撮れないので一枚一枚撮るごとに、構図、露出、シャッターチャンスといろいろ考え、時間をかけて一枚を撮ります。じっくり時間をかけている分、写真には写っていなくてもそのときの状況や感情まで記憶を呼び覚ましてくれます。
フィルムカメラで撮影したら写真屋さんで現像してもらう時、CD-Rへのデータ化とあわせてプリントをしてみるのもオススメです。
プリントしてみると、失敗写真もなんとなく味のあるものに感じてしまうことも魅力のひとつ。現像してみるまで仕上がりがわからないというワクワク感もあります。
たまにはデジカメを置いて、あえてフィルム1本36枚の世界を楽しんでみてはいかがでしょうか?